明けの明星 アドリアン=エティエンヌ・ゴーデ

【福岡県行橋市買取】
福岡市中央区大宮のアジアアート福岡は、骨董品・美術品の買取を専門に行っております。このたび福岡県行橋市のお客様より、フランスの彫刻家アドリアン=エティエンヌ・ゴーデ作のブロンズ像「明けの明星(L’Étoile du Matin)」を買取いたしましたので、買取事例としてご紹介します。
- 作家:アドリアン=エティエンヌ・ゴーデ(Adrien Étienne Gaudez、1845~1902年)
- 作品名:明けの明星(L’Étoile du Matin)
- 制作年代:19世紀末・フランス
- サイズ:高さ約80cm
- 素材:ブロンズ
- 買取エリア:福岡県行橋市
彫刻家アドリアン=エティエンヌ・ゴーデ
ゴーデはフランス・リヨンの生まれで、パリの国立高等美術学校にてフランソワ・ジュフロワに師事し、1864年のサロンでデビューしました。神話や寓意を主題とした優美な女性像を数多く手がけた作家で、後年の出品作には、サロンで既に高い評価を確立した作家に与えられる「Hors Concours(オール・コンクール=無鑑査出品の資格)」が示されることがあります。今回の像の台座にも、その旨を記した銘板が付いています。
作品の見どころ
「明けの明星」は、明けの明星と呼ばれる金星を女性像として表したもので、星座の意匠を施した地球儀状の台座に片足で立ち、天に向かって腕を掲げる姿で表現されています。本来は掲げた手に星をかたどったパーツを持っていたと考えられますが、現存する個体の多くと同様、今回の像でもその部分は失われています。風になびく衣のドレープや、指先・足元まで丁寧に作り込まれた造形に、鋳造技術の高さが表れています。マスターモデルをもとに複数のブロンズ像が鋳造されており、今回の個体もそのうちの一点にあたります。
来歴 — 旧家からお譲りいただきました
今回の像は、幕末から明治にかけて困窮した下級武士を支えていたという旧家のお客様からお譲りいただいたものです。お客様ご自身も、物心ついた頃にはすでにお屋敷にあったとのことで、いつ、どのような経緯で迎えられた品かは分かっていません。
お屋敷は明治期の建築で、室内の天井付近には当時の電話線を通すための碍子が残っていました。同じ年代のお屋敷に伺う機会がこれまで何度かありましたが、こうした痕跡が残るお宅は、総じて相応の家格をお持ちであることが多いというのが実感です。今回のお屋敷についても、歴史資料の大半が県の美術館に寄贈されているとのことで、地域にとって意味のある旧家であったことがうかがえます。
名品の価値を、次の世代へ
作品そのものの見事さもさることながら、こうした来歴を持つ品をお譲りいただけることに、買取業としての責任を感じます。ゴーデのように国内ではまだ評価の軸が十分に定まっていない作家であっても、可能な限り作品自体の価値を調べ、根拠のある評価をお伝えするよう努めています。
一方で、お客様のご期待値が市場価格を上回ってしまうケースも少なくありません。そうした場合も、なぜその評価額になるのかをできる限り丁寧にご説明し、ご納得いただけるよう努めています。
旧家の整理でご注意いただきたいこと
九州は地理的な経緯から、旧家に中国美術など大陸由来の品が紛れ込んでいることが少なくありません。香炉や鉄瓶、急須といった一見地味な道具に、思いがけない価値が見つかることもよくあります。
以前、LINEでの査定依頼で、お屋敷の扁額や工芸品、床の間の壺などの写真を数十枚お送りいただいたことがありました。大半は近年の工芸品や土産物でしたが、その中に、桐箱に納められた急須が2客写っている写真が一枚ありました。概算の査定額をお電話でお伝えする際、他の品はともかく、その急須だけは必ず個別に査定を受けてくださいとお伝えしました。
その後、そのお客様からのご連絡はなく、そのままになっていました。数週間後、同業の買取店の方が査定のご相談にと来店され、持ち込まれたのが、まさにあの桐箱の急須でした。伺うと、全体を数万円で買い取った中の一点で、その急須だけで大きな利益になったとのことでした。
巡り合わせの部分はありますが、お屋敷の整理を勢いだけで進めてしまう前に、気になる品だけでも個別に見てもらうことをおすすめします。
おわりに
弊社は買取を専門としておりますが、買取に至らないご相談でも構いません。今回の「明けの明星」のように、来歴や作者について分かる範囲でお調べし、根拠のある評価をお伝えすることを大切にしています。LINEでの画像査定にも対応しておりますので、骨董品・美術品でお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。


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